板、ビンディング、ブーツの中では、一番こだわるべきはブーツだと思います。
ブーツを自分に合っているものを選べば、スノーボードを快適にやることができます。
いくらいい板でも人間の力の入力元である足に一番近いブーツが、
ばがばだったりすると力がうまく伝わらず、滑走に悪い影響しかありません。

これまで十数年のスノーボードライフで、
- kissmarkのシングルボアのブーツ(モデル名不明)
- サロモンのシナプス
- バートンのアイオンレザー
- バートンのインペリアル(今だとフォトン?)
- バートンのアイオン
のブーツを履いてきました。
その中で、一貫して改善したかった点が、踵の浮きです。
個人的にブーツで一番締め上げたいのが足首周りなのですが、上記のブーツでは
ピンポイントで締め上げることはできませんでした。
結論を先に申し上げると、トーレントならこの悩みが解決できました。同じように踵の浮きを解消したいのであれば、かなり有力な選択肢になると推薦できるブーツでした。
トーレントの特徴

トーレントのブーツの特徴として、
- インナーのレースがアウターとも繋がっている
- 熱成型を繰り返し行える
- 足幅が広めに作られている
があるかなと思います。他にも、ダブルボアで絞めわけがしやすかったり、ソールがタイヤメーカーのミシュランが
担当していたり、甲の部分にネオプレーンの生地でカバーが付いていることなどあります。
インナーのレースがアウターとも繋がっている
このブーツの最大の利点がここにあると考えています。
インナーを締めることで、アウターのタンが同時に同じ量締まります。
このことで、足首がインナーとアウターと一体化するため、踵が浮かなくなります。
踵が浮かなくなることで、板への力を加えやすくなります。トゥサイドターンなんかは顕著に分かります。
足首が浮かないようにするために、アウターの締め上げで踵が浮かなくなるようにしているブーツも
いくつかあります。その中で有名なところだとDEELUXEのDEEMONがあります。
が、後述する熱成型の回数制限によるへたりやすさが気になり、DEELUXは購入対象から外れました。
熱成型を繰り返し行える
熱成型といえばDEELUXEが一番有名だと思います。
実は前からDEELUXEはずっと前から考えていたブーツですが、DEELUXEのブーツは
熱成型できる回数が少ない。(焼き直しを何回もやることができない)という点から避けていました。
しかし、トーレントはINTUITIONのインナーを使用しており、
100回熱成型をしても問題ない代物だそうです。長持ちすることはいいですよね。
開発段階のテストで100回まで行っても問題なかったが、これ以上やってもしょうがないとテストを
途中で打ち切った経緯があるくらい丈夫なインナーを使用しています。
シーズン中に気になるところを修正してもらい、シーズンイン前に焼き直してもらうということを
5シーズンは行えるのではないでしょうか。
足幅が広めに作られている
個人的な感覚になりますが、
- LASSO PRO WIDE
- THE 92
のRIDEの他のブーツよりも広く作られていると思います。
また、バートンのアイオンよりも広く作られていると思います。
バートンのアイオンは27.5cmで履いていたのですが、トーレントは27cmで履いていますが、
幅はトーレントの方が広いと思います。さらに、熱成型でさらに広げることができます。
自分は足の幅が広めで、左がFで右が5Eという通常のスニーカーはベストなサイズでは履けません。
サイズを大き目にして履くしかないため、足幅以外の箇所が合っていない靴を履かなくてはいけなかったため、
足が痺れたり、足裏にタコができやすかったりしましたが、トーレントのおかげで、
足の長さにあったブーツを選択できるようになり、スノーボードがより楽しく、快適にできるようになったと思います。
話は少し逸れますが、同じように足幅が広くてお困りの方にお勧めできるスニーカーが、
アシックスのGT-1000というスニーカーです。
幅が4eと広く、軽く、歩き走りやすいです。
デザインがおしゃれかといわれると微妙ですが、真っ黒なので、目立たず履けるので、
快適に靴を履きたい場合はお勧めです。
使用してみての感想
ダブルボア
ダブルボアのブーツを始初めて使いましたが、とても違和感なく締め上げられるなと感じました。
これまでバートンのクイックレースを長期間使ってきましたが、比較しても問題ないので、
クイックレースに戻る理由は見つからないです。
ボアは締め上げに力が不要なので、女性にとてもおすすめできます。
ブーツの締め上げに苦労している女性はダブルボアを検討してみてはいかがでしょうか。
踵が浮きにくい
インナーを締めることで、アウターのタンが同時に締まります。
これがかなり効いていて、滑走中に踵が本当に浮きにくくなりとても快適です。
ブーツの中で足が動かないので、靴下のスレでの損耗の程度が軽減されている効果もありそうです。
また、フローティングタンシステムというアウターのタンの縫合が特殊であるため、
アウター締めた時の足首周りの締まり方が他ブーツと比較すると、
より足首周り全体を押さえつけてくれる締まり方をしてくれます。
軽い
直近まで使っていたバートンのアイオンとの比較になりますが、履いてすぐ軽さに気付くくらい
重量に差があります。今度測ってみようと思います。
ライドのブーツはアウターが小さく作られている傾向があるようで、これも軽量化に繋がっています。
軽いけど、硬さはしっかりあるため、速度を出しても安定します。
また、軽いことのおかげか、疲労が軽減している印象です。
ソールが滑りにくい
このブーツはミシュランが作っているのですが、スタッドレスタイヤのノウハウを持っているおかげか、
駐車場で歩くときや、ワンフットしてボードのデッキの上に足を乗っけている時に足が滑らないと感じます。
購入検討していた他のブーツ
DEELUXのDEEMON
熱成型できる回数が少ないことを先程書きましたが、他にも
- アウターのレースのロック部分の部品が壊れやすい
- 春先などにインナーに浸水しやすい
などの弱点を見たり、聞いていたので、購入は見送りました。
ですが、アウターのレースが足首周りとそれ以外とで絞め分けができる機構は試した限り
足にフィットさせやすく、魅力的でした。

C3とBOAがDEEMONに該当します。
RIDEのLASSO PRO WIDE
最初はネットでどのブーツ買おうかなと調べていたので、【WIDE】と商品名についている
LASSO PRO WIDEを買おうと思っていました。
【WIDE】とついているくらいなので、足幅が広いと噂されているRIDEのブーツの中でも、
きっと幅が広いに違いないと思って試着しました。
広いことは広いのですが、熱成型前のフィット感が明らかにTORRENTの方が良かったので、TORRENTを
選択しました。
また、フローティングタンシステムがLASSO PRO WIDEにはありません。
フローティングタンシステムがあることで、踵の浮き具合が格段に変わると感じました。
そのため、踵の浮きを無くしたいことを優先的に考えるのであれば、TORRENTを買われた方が、
後悔しないと思います。
ただ、値段がかなり安く抑えることができるため、あまり出費を増やしたくない場合は
選択肢に入れていいと思います。
RIDEのTHE 92
このTORRENTが発売される前の年はこの92が人気があったようです。
試しにはいてみたところ、横幅がかなり狭く感じました。
足幅が広い順番でならべると、
- TORRENT
- LASSO PRO WIDE
- THE 92
という感じです。
そこまで幅広を求めていない方は、候補になり得ると思います。
THE 92もタンタイドシステムを採用しているので、TORRENTと同じようにアウターのタンが前後に動き、
インナーの締め上げと同時にアウターのタンが締まる機構になっています。
まとめ
スノーボードブーツ選びにおいて最も重視すべきポイントは「自分の足に合うかどうか」だと、改めて実感しています。特に踵の浮きという悩みは、滑走中のパフォーマンスや快適性に大きく影響を与えるため、妥協すべきではない部分です。
今回紹介したRIDEの「TORRENT」は、インナーとアウターが連動して締まり、熱成型も何度でも可能、足幅も広めに作られているため、長年悩んできた足回りの不満を一気に解決してくれました。特に足首周りをしっかり締めたい方、足幅が広い方、ブーツの中で足が動いてしまうことにストレスを感じている方には、非常におすすめできる一足です。
ブーツは滑りを支える土台です。滑走の楽しさや上達を左右する大切なギアだからこそ、自分の足にしっかり合ったものを選ぶことが、スノーボードライフをより充実させる近道だと思います。
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