ウィンタースポーツをやっている方々は実感していると思いますが、ここ数年で外国人旅行者がスキー場が増加傾向であり、海外資本が日本のスキー場を買っていたり、スキー場近くにホテルを建設したりしています。
アジア圏でウィンタースポーツ需要が高まっているおり、距離が近い日本に注目が集まっている面もあるが、実はそれだけでなく、日本の立地は世界でも有数のウィンタースポーツに適した土地であるということが関係している。
日本のスキー場の魅力とは
雪質、量が世界トップクラス
まずは、雪というものは石油や金など同じ天然資源という認識をしていただくと分かりやすいです。以下は世界の雪が降る地域の分布図です。参考にした論文がなかなか面白かったので、お時間ある方は読んでみてください。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jgeography1889/73/1/73_1_11/_article/-char/ja/
世界の積雪分布 関口 武
このように地球上の陸地の半分程度しか降雪はない。さらにこの中で、ウィンタースポーツに適しているところは限られてくる。北極や南極では寒すぎて運動どころではないし、標高が高すぎる山岳地帯も、一般人には運動に適していない。30~40cm程度では量が足りないため、ある程度の降雪量も必要になってくる。
また、近年の傾向として、ふかふかの大量の新雪(ウィンタースポーツ業界ではパウダーと呼びます)を滑りたいという需要が増えているが、パウダーがコンスタントに滑ることができるのが、地球上に日本か、北アメリカ西海岸以外には存在していない。(ここもそうだというところがあれば、コメントでご教授いただければ幸いです。。)
毎年日本の各地で大雪がニュースになりますが、一晩で40~50cm雪が降るというのは、世界的に見てかなり珍しいことなのです。
以下は世界の積雪量が多い都市TOP10ですが、やはり日本とアメリカ西海岸で独占しています。
1位 日本 青森市 (年間降雪量 792cm)
2位 日本 札幌市 (年間降雪量 485cm)
3位 日本 富山 (年間降雪量 363cm)
4位 カナダ セントジョーンズ (年間降雪量 333cm)
5位 カナダ ケベック (年間降雪量 315cm)
6位 アメリカ合衆国 シラキュース (年間降雪量 314cm)
7位 カナダ サグネー (年間降雪量 312cm)
8位 日本 秋田 (年間降雪量 272cm)
9位 アメリカ合衆国 ロチェスター (年間降雪量 251cm)
10位 アメリカ合衆国 バッファロー (年間降雪量 241cm)
こんな表も見つけました。
アラスカやグリーンランドよりも降雪量が多いんです。また、パウダーは人工的には作り出すことが今のところでないため、これだけでも日本がとても雪という資源に恵まれているということが、分かって頂けるかと思います。
日本への旅行がそもそもリーズナブル
観光庁によると、日本に来た外国人旅行者の1人当たり旅行支出(一般客・確報)は15万8,531円で、平均滞在日数は9.1日とのことです。
平均滞在日数が9.1日あるにも関わらず、15万8,531円ということは、1日当たり約1.7万円ほどである。私が海外旅行に行った時の出費を振り返ってみると、少なくとも2万円ほどは1日辺りかかっていたため、日本の旅行はやはりリーズナブルと言えるだろう。
もっと分かりやすい指標がビックマック指数ですね。ビックマック指数とは、各国のマクドナルドで販売されているビッグマック1個当たりの価格になります。これを比較することで、それぞれの国の物価がざっくり分かるようになります。以下のサイトがデータが随時更新されているので、現状を把握しやすいです。
日本のスキー場のリフト券が安い
上の記述と被ってしまいますが、リフト券は海外と比べてかなり安いです。毎年滑っている人間としてはかなりありがたいです。
私は海外のスキー場はカナダのウィスラーしか行ったことがありませんが、一日券が1万円以上しました。。日本だと高くても、北海度のニセコ全山共通リフト券の8000円(これでも結構値上がりしました)くらいで、他のスキー場ですと5000円くらいあれば、足ります。
海外スキー場は日本のスキー場と比べて広いので、人件費や機材の維持費とがかかるため、リフト券が高いということにもなりますが、正直広すぎて1日では滑り切れないので、1日で滑り切れる広さで、そこそこの値段設定である日本のスキー場が人気が高まっても不思議ではないのかなと思います。ちなみに、カナダのウィスラースキー場の広さは、志賀高原スキー場全体の約8倍の広さがあります。
都市から近い
海外のスキー場は大都市からかなり離れた所にあります。例えば、フランスの代表的なスキー場の一つであるシャモニーは首都のパリから車で、6時間程度、オーストラリアの代表的なスキー場の一つであるペリッシャーは首都のシドニーから5時間程度とかなり遠いです。
アメリカやカナダの西海岸は割と日本のように数十万人規模の都市からでも、2,3時間でスキー場にアクセスできるようです。ただ、数百万人規模の人口密集地からのスキー場へのアクセスは日本が(首都圏、名古屋、札幌など)断トツにいいです。
海外資本のスキー場買収
上記のように、日本のスキー場の魅力を上げていきましたが、これらが評価され、外資のスキー場買収が近年増加しています。
- ニセコビレッジ
- キロロ
- トマム
- マウントレースイ
- Hakuba47
- アライ
など、国内で有名どころが外資に買収されていっています。つまり、上場している日本のスキー場運営会社の株が今後外資の資本が入ってくる可能性があると考えています。株価の上昇が見込めるということですね。スキー場だけでなく、その周辺のホテルや土地も買収されています。土地の値上がり率のデータもこの結果を表しています。
1位の倶知安町はニセコがある町で、9位に白馬村がランクインしています。余談ですが、沖縄は人気がるんですね。もともと土地が狭いのと、リゾート用の土地購入以外の思惑が重なって地価上昇に繋がっているんでしょうか。個人的には、外資が日本に投資してくれるのはありがたいですが、土地取得などは規制するような法律を早く制定してもらいたいです。。。
https://tochidai.info/public-price_change-rate_city-ranking/
コロナの影響で株価が底値
以下が、日本のスキー場運営している上場企業である。昨今の騒動の影響で、軒並み株価が下落している。既にコロナ前の水準に戻ったものもあるが、すべてではないため、投資チャンスがあると考えている。
- 日本スキー場開発(6040)
- 西武ホールディングス(9024)
- 富士急行(9010)
- 東急(9005)
- 東日本旅客鉄道(9020)
- 東武鉄道(9001) ※グループ会社の東武興業が運営
- アルペン(3028)
これらの中で自分なりにどこに投資するのがいいのかは、下記記事に見解を書いてみました。
コメント